
今年はカメムシが多い……

洗濯物に大量についていて困っている

家の中に入ってきたけれど、潰したらあのニオイが怖い
カメムシが大量発生すると、家の周辺に飛んでくるだけでなく、洗濯物や網戸、窓の隙間などから屋内に侵入してくることがあります。
私自身、2023年のカメムシ大量発生をきっかけに、本格的なカメムシ対策を始めました。
それ以来、殺虫剤の成分やカメムシの習性を調べながら、実際にさまざまな方法を試してきました。
この記事では、
- 家に入れない
- 屋外で対処する
- 侵入されてもニオイを出さずに捕獲する
- 付いてしまったニオイを落とす
という4つの視点から、私が約2年間試してきたカメムシ対策を紹介します。
特に、殺虫剤については薬剤師としての知識も活かし、成分や製品表示を確認しながら解説します。
ただし、殺虫剤は製品によって使用できる場所や対象害虫が異なります。
記事内では私自身の使用経験と、メーカーなどの公式情報を分けて紹介しますので、実際に使用する際は必ず製品表示を確認してください。
カメムシ大量発生に悩んでいる方が、「何をすればいいのか分からない」状態から抜け出すための実践的な対策をまとめました。
知っておくべきカメムシの習性
カメムシ対策は、やみくもに殺虫剤を使うよりも、まず「なぜ家に寄ってくるのか」を知ることが大切です。
ここでは、家屋への侵入対策に役立つカメムシの習性を紹介します。
①夜間に活動する種類がいる
そのため、夜間に照明をつけていると、光に誘引されたカメムシが家屋へ飛来することがあります。
ただし、カメムシは種類によって生態が異なるため、「カメムシはすべて夜行性」と考えるのは適切ではありません。
この記事では、家屋への侵入対策という観点から、夜間の光に誘引される性質に注目します。
②光に集まる(走光性)
夜間の街灯に虫が集まる光景を目にしたことはありませんか?
これは、昆虫の中に光に反応して移動する「走光性」を示すものがいるためです。
光のある方向へ移動する性質は「正の走光性」と呼ばれます。
カメムシを含む昆虫の中にも、光に誘引される種類があります。
ただし、すべてのカメムシが同じように光へ集まるわけではありません。
また、LED照明に交換したからといって、虫が完全に寄ってこなくなるわけでもありません。
照明の種類によって昆虫の誘引されやすさは異なるため、LEDへの交換は虫対策の一つにはなりますが、「LEDなら絶対に虫が来ない」と考えるのではなく、照明以外の侵入対策も組み合わせることが大切です。
③越冬するため暖かい場所に集まる
カメムシは、秋になると越冬場所を探して移動する種類があります。
特に、日当たりのよい暖かい場所や、外敵から身を守りやすい場所として家屋に入り込むことがあります。
そのため、秋には洗濯物や布団、網戸などにカメムシが付着していることがあります。
名古屋市も、マルカメムシについて、秋に越冬場所を求めて家屋へ移動する際、洗濯物や布団に付着して悪臭被害を起こすことがあると注意喚起しています。
また、家屋の中に侵入したカメムシが越冬し、春先に活動を再開するケースもあります。
つまり、カメムシ対策では「秋に入ってから退治する」のではなく、秋の飛来・侵入シーズンが始まる前から対策しておくことが重要です。
カメムシ退治の必須アイテム・ピレスロイドとは?
ピレスロイドはご存じですか?
ピレスロイドは、除虫菊に含まれる殺虫成分をもとに開発された殺虫成分群の総称です。
昆虫の神経系に作用することで殺虫効果を示し、さまざまな家庭用殺虫剤に利用されています。
一方で、「人体には無害」と単純に考えるのは適切ではありません。
製品によって使用できる場所や使用方法、注意事項が異なるため、殺虫剤を使用する際は必ず製品表示を確認し、人体やペット、食品などに薬剤がかからないよう注意しましょう。

実は家庭用殺虫剤には、ピレスロイド系の成分を使用した製品が多いんですよ。
ピレスロイドの各成分によって特徴は異なります。
速効性に優れる成分もあれば、残効性が高い成分もあります。
ピレスロイド系の各種成分の特徴については、KINCHOのサイトにコラムとして載っています。

私は殺虫剤を選ぶときにこのサイトと薬剤師としての薬学部で学んだ化学の知識を参考にしました。
カメムシ対策の鉄則4つ
- 屋内への侵入は許すべからず、屋外で対処すべし
- 日中に屋外で一匹残らず駆逐すべし
- カメムシに侵入されそうな隙間は埋めるべし
- 屋内に侵入されたらニオイを出さない方法で対処すべし
カメムシは身の危険を感じると、くさいニオイを放ちます。
このニオイがなかなか厄介で、服や手につくとなかなかとれません。
くさい以外に特に害はありませんが、カメムシの種類によってはカメムシに触れた手がかぶれたりすることがあります。
また、カメムシの中には果樹の果実を吸汁する種類もあり、果樹園ではカメムシ類による被害が問題となっています。
とはいえ、室内に侵入されてくさいニオイを放たれても困るので、生き残りに必死なカメムシには悪いですが、室内への侵入を許さないためにも駆逐させていただきます。
私なりのカメムシ対策の鉄則は4つあり、この鉄則をもとにカメムシ対策を行います。

駆逐してやる!この家から……1匹残らず!
屋外でのカメムシ対策
カメムシ対策において、「①屋内への侵入は許すべからず、屋外で対処すべし」と「②日中に屋外で一匹残らず駆逐すべし」の鉄則があります。
カメムシは身の危険を感じるとくさいニオイを発するのですが、屋外であればそのニオイも最低限の被害で済みます。
いかに屋外で対策しておくかが、屋内でのカメムシ被害を抑えるカギになります。
殺虫剤をあらかじめ塗布
扉や外壁、外灯にあらかじめ殺虫剤を塗布しておきます。
特に、ピレスロイド系殺虫剤には忌避効果があるため、虫が寄りつきにくくなるメリットもあります。
ここで、残効性に優れるピレスロイド系殺虫剤をあらかじめ塗布しておくと、外壁に止まったカメムシが殺虫剤に触れることでその効果を発揮し、屋内へ侵入される前に彼らはご臨終となります。
ドラッグストアやホームセンターで気軽に購入できるものでおすすめなのが、アース製薬の「虫こないアース」です。

私が実際に使用している製品です。
「虫こないアース」は、カメムシを対象害虫としており、薬剤処理面に触れた虫の駆除と忌避によって侵入を防ぐ製品です。
あみ戸・窓ガラス用と玄関灯・外壁用があり、どちらも撥水成分シリコーン配合で雨に強く、メーカーによると、虫よけ効果は約4か月とされています。(使用環境により異なります)
また、虫に直接スプレーして駆除することもできます。
ただし、製品によって使用できる場所が異なるため、「虫こないアース」という商品名だけで判断せず、購入した製品の表示を確認してください。
主な成分はシフルトリンというピレスロイド系殺虫剤の中でも高い殺虫効果を持ち、残効性にも優れている成分が配合されています。
また、玄関灯・外壁用の方には、シフルトリンに加えてフェンプロパトリンというピレスロイド系殺虫剤成分が含まれ、こちらも高い殺虫効果と残効性を持ちます。

虫こないアースは比較的安価でどこでも売っているイメージがあるので、試しに使用してみる価値が高い製品です。
虫こないアースは私も常備しているアイテムですが、最近はもっぱら「カメムシ博士」という製品を愛用しています。
「カメムシ博士」は害虫駆除のプロが愛用する製品で、今のところ店頭販売を見かけたことはなく、ネット通販でしか購入したことがありません。
お値段は一般的な家庭用殺虫剤より高めですが、私の環境ではカメムシの飛来・付着が明らかに減ったと感じています。
ただし、これはあくまで私の使用環境での実感であり、すべての住宅で同じ効果が得られることを保証するものではありません。
有効成分はペルメトリンという残効性の高いピレスロイド系殺虫剤です。

カメムシ博士を使うと、一晩のうちに飛来してきたであろうカメムシが力尽きて床にゴロゴロというホラーな光景を目にすることができます。
私の場合、カメムシ博士を塗布した後にカメムシが壁に止まることがほとんどなくなりました。外灯にも塗布したこともあってあまり飛来してこなくなりました。
付属の刷毛を使って壁に塗る作業が大変ですが、塗布漏れなく壁一面に塗ることができるので、個人的にはしっかり対策できた安心感があります。
ちなみに、このカメムシ博士を、カメムシが飛来すると考えられる網戸・窓枠・ドア枠や隙間などへ塗布すると、侵入防止にもなります。

もはやカメムシ対策にはカメムシ博士を使用しない手はない!
このように、虫こないアースやカメムシ博士などの製品を使ってあらかじめ外壁などに塗布すると、殺虫剤を直接吹きかけずとも待ち伏せ効果で退治することができます。
外で見かけたカメムシは見つけしだい駆逐
カメムシにはかわいそうですが、屋内への侵入を防ぐため、私は家の周辺で見つけた個体を早めに駆除するようにしています。
そのため、過剰かもしれませんが、屋外でカメムシを見つけしだい、殺虫剤で駆逐しています。
よく、「カメムシにはカメムシ専用の殺虫剤じゃないと効かない」と耳にし、いざカメムシ専用殺虫剤を探しても見つからないといったことはありませんか?

結論から言って、カメムシ専用殺虫剤でなくても殺虫剤でカメムシを退治することはできますよ。
家庭用殺虫剤にはピレスロイド系成分を使用した製品が多くありますが、殺虫剤の有効成分がすべてピレスロイド系というわけではありません。
カメムシに使用する場合は、「カメムシ」が対象害虫として記載されているか、使用場所が適切かを製品表示で確認することが大切です。
しかし、安い殺虫剤だと、カメムシがご臨終するまでに時間がかかります。
最後の力を振り絞って飛び回られることも・・・
かといって、カメムシ専用殺虫剤と謳っていても、そこまで効果が感じられないものもあります。
2023年のカメムシ大量発生時に、とあるカメムシ専用殺虫剤を使用しましたが、なかなか効果がなくて苦労しました。
近所のドラッグストアにはカメムシ専用殺虫剤は売っておらず、ホームセンターはかなり距離があるのでカメムシ専用殺虫剤を買いに行くことも難しい・・・
最終的に私はある殺虫剤にたどり着きました。

ハチ用殺虫剤、アース製薬の「ハチアブスーパージェット」!!
私がカメムシの駆除に使用しているのが、アース製薬の「ハチアブスーパージェット」です。
この製品は商品名のとおりハチ・アブ用の殺虫剤ですが、対象害虫にはカメムシも含まれています。
有効成分としてフタルスリン、モンフルオロトリンなど速効性に優れる成分が含まれています。
私の使用経験では、カメムシに直接噴射すると、比較的速やかに動きが止まりました。
ただし、これは私が実際に使用した際の経験であり、カメムシの種類や個体、噴射量、付着状況などによって結果は異なる可能性があります。
ただし、「ハチ用殺虫剤だからカメムシにも必ず速く効く」とは言えません。
殺虫剤は製品ごとに対象害虫や使用方法が異なるため、使用前に必ず製品表示を確認してください。

私が実際に使ったときは、カメムシに直接噴射すると比較的早く動きが止まりました。ただし、効き方には個体差や使用条件による違いがあります。
私自身は、製品表示を確認したうえで使用できる状況に限り、ハチアブスーパージェットを使用しています。もちろん、使用前には対象害虫や使用方法を確認してください。
カメムシに殺虫剤を吹きかけるときのコツ
実はカメムシを退治するときに、殺虫剤を吹きかけるコツが存在します。
それはカメムシの横側からお腹をめがけて殺虫剤を吹きかけることです。
カメムシの外殻は固い上に水分や湿気を弾く特性を持ち、殺虫剤が浸透しにくいです。

強固な外殻を持っていてカメみたいだからカメムシ・・・
しかし、そんな鉄壁の防御力を誇る外殻を持っていても、弱点となる部位は存在します。
弱点となる場所こそ「お腹」です。
お腹側は背面とは異なる構造になっているため、私自身は腹側や側面に薬剤がかかるようにすると、比較的早く効果が出ると感じています。
カメムシに殺虫剤を使用するときは、製品に記載された使用方法に従うことが大前提です。
私自身は、壁などに止まっているカメムシに対して、薬剤がかかりやすい側面や腹側を意識して噴射すると、比較的早く効果が出ると感じています。
ただし、これは私自身の使用経験に基づく方法です。
「腹側なら必ず効く」という科学的な根拠があるわけではないため、一般的な方法として断定するのは避けます。

殺虫剤をあらかじめ塗布しておくことで、薬剤処理面に触れたカメムシを駆除できる製品もあります。
殺虫剤以外に退治する方法
ここまで、ピレスロイド系殺虫剤を使用したカメムシの退治方法について紹介しました。
一方で、ネットでカメムシの退治方法を調べていると、「パーツクリーナーで退治できる」という情報を目にすることがあります。
パーツクリーナーは、本来は自動車やバイクなどの部品に付着した油汚れを落とすために使用する洗浄剤で、殺虫剤として作られた製品ではありません。
それでも、実際にカメムシへ使用すると、比較的短時間で動かなくなることがあります。

私自身も試してみたところ、カメムシにパーツクリーナーを噴霧すると、1分足らずで動かなくなりました。
「ネットで見かけるだけの方法なのかな?」と思っていたのですが、実際に試してみて、確かにカメムシを退治できることを確認しました。
ただし、パーツクリーナーはあくまで洗浄剤です。
製品によって成分や使用上の注意が異なり、プラスチックやゴム、塗装、ワックスなどの素材を傷める可能性があります。また、可燃性の製品もあるため、火気の近くでは使用できません。
そのため、私自身はカメムシ駆除に使うことがありますが、「カメムシ駆除専用の製品」としておすすめしているわけではありません。
使用する場合は、製品の用途・注意事項を確認し、素材への影響や火気に十分注意してください。

ネットのライフハックも案外役に立つものだなぁ・・・
※パーツクリーナーは殺虫剤ではないため、基本的にはカメムシ駆除目的で使用することはおすすめしません。
屋内への侵入阻止対策
屋内への侵入を阻止するためには、なるべく屋外で侵入される前に退治しておくことが大切ですが、大量発生している状況だと退治が追いつかずに屋内への侵入を許してしまう可能性があります。
そこで、屋外での退治以外の侵入阻止対策について紹介していきます。
隙間を埋める
カメムシはわずかな隙間から屋内へ侵入してしまいます。
網戸や窓のサッシの隙間から侵入、エアコンのドレーンホースからの侵入が考えられます。
そのため、殺虫剤だけに頼るのではなく、ほんのわずかな隙間から侵入されないように「侵入経路そのものを減らす」対策も重要です。
網戸や窓のサッシの隙間に対しては、隙間テープを使って隙間を塞ぐ対策が有効です。
エアコンのドレーンホースは排水を妨げないよう注意しながら、防虫キャップを取り付けたり、キッチンの排水溝ネットをホースの先に輪ゴムでとめるなどの対策が有効です。

カメムシだけでなく、Gも隙間から侵入するケースが多いので、隙間を埋めることは害虫対策に有効ですね。
忌避剤を置く
吊り下げ型や置き型など、カメムシ対策を目的とした忌避剤も販売されています。
窓や玄関など、カメムシが侵入しやすい場所に設置するのも対策の一つです。
また、ハッカなどの香りを利用した虫よけ製品もあります。
こうした製品を使用する場合も、対象害虫や使用場所、使用期間などの表示を確認してから使用しましょう。
侵入したカメムシを捕獲する方法
大量発生していると、どれだけ対策していても屋内への侵入を許してしまう場合があります。
屋内に侵入された時、なるべくカメムシのニオイがつかないように退治する必要があります。
ここでは屋内でカメムシを捕獲・退治できる方法について紹介します。
ペットボトル捕獲器
用意するもの
- 500mLのペットボトル
- カッターorハサミ
- ガムテープ
- 食器用中性洗剤
作り方
- ペットボトルの飲み口から1/3くらいの位置で切り取る
- ペットボトルを切り取った飲み口部分を逆さまにして、ペットボトル本体に差し込む(飲み口部分がろうと状になってペットボトル内に入るように)
- 差し込んだ部分を固定するため、ガムテープを巻き付ける
- ペットボトルの中に2センチくらい食器用洗剤を入れる
ペットボトル捕獲器はカメムシの習性を利用した捕獲方法です。
カメムシは敵から逃げる際につかまっている枝などから足を離して下に落ちる習性があります。
ペットボトル捕獲器をカメムシの下側からそっと近づけると、カメムシは習性のため自然とペットボトルの中に落ちます。
このペットボトル捕獲器のメリットは、ニオイを出さずに捕獲・駆除し、そのまま廃棄できることです。
中に少量の食器用中性洗剤を入れておくことで、捕獲後の処理がしやすくなります。
そのため、ペットボトル捕獲器は「殺虫剤を使いたくない人にも使える方法」でもあるのでおすすめです。

2Lの大きなペットボトル捕獲器を作って屋外のカメムシを見つけ次第捕獲・駆除する方法もコスパがいいですね。
ガムテープ
粘着力の強い布ガムテープ(安物の紙製のテープは粘着力が弱いので不向き)を使って捕獲する方法があります。
捕獲方法は至ってシンプルで、ガムテープをカメムシの背中に貼り付け、そのままガムテープにくっついているカメムシの周りのガムテープを折りたたむことでカメムシを密閉してポイするだけです。
ガムテープをカメムシにつけるときは、ニオイを出されないようになるべくそっと行う必要があります。
慣れるまでは大変ですし、カメムシにある程度近づく必要があるので、虫に抵抗のない方にとっては一番コスパよく退治できる方法です。

私は虫が苦手なので、布ガムテープは使ったことがありません・・・
屋内でのカメムシ退治でやってはいけないこと
- たたいて潰す
- 掃除機で吸う
カメムシは身の危険を感じるとくさいニオイを放ちます。
たたいて潰してしまうと、カメムシのくさい体液がその場についてしまいます。
また、掃除機で吸い取ってしまうと、カメムシのニオイが掃除機内部やフィルターに残る可能性があります。
もしもカメムシのニオイがついたら
カメムシの嫌なニオイには、トランス-2-ヘキセナールなどの揮発性アルデヒド類をはじめ、複数の成分が関与しています。
トランス-2-ヘキセナールには、
- 揮発性
- 親油性(油に溶けやすく、水に溶けにくい)
- 熱に弱い
といった特徴があります。
カメムシの臭気成分には油になじみやすい性質を持つものがあるため、水だけでは落としにくい場合があります。
そのため、まずは衣類用洗剤や食器用中性洗剤など、界面活性剤を含む洗剤で洗浄する方法が考えられます。
アルコールについては、素材によって変色や劣化を起こす可能性があるため、目立たない場所で確認してから使用しましょう。
服やタオルなどの布製のものの場合
まずは衣類用洗剤などで洗濯しましょう。
カメムシの臭気成分には、熱によって揮発しやすくなるものがあります。
そのため、素材が耐熱性であれば、アイロンや乾燥機などの熱を利用する方法も考えられます。
ただし、衣類や布製品には熱に弱い素材もあります。
アイロンを使用する場合は、洗濯表示でアイロンが使用できることを確認し、適切な温度で使用してください。
アイロンが使えない素材では、ドライヤーの風や温風を利用する方法もありますが、こちらも素材を傷めないよう注意が必要です。
「熱を加えれば必ずニオイが消える」というわけではないため、まずは洗剤による洗浄を基本とし、素材に応じて熱を利用すると考えるとよいでしょう。
壁や床の場合
壁や床に付いた場合は、まず素材に使用できる中性洗剤などで拭き取ります。
アルコールを使用する場合は、素材によって変色・コーティング剥離・劣化などが起こる可能性があるため、目立たない場所で試してから使用してください。
特にワックスや塗装が施された床、樹脂製品などは注意が必要です。
肌についた場合
まずは石けんなどを使って、流水でよく洗い流しましょう。
ニオイが残っていても、強くこすったり、繰り返し手を洗ったりする必要はありません。
肌に刺激や赤みなどがある場合は、無理にニオイを落とそうとせず、症状が続く場合は医療機関に相談してください。
私がカメムシの退治に失敗したときのニオイの消し方
以前一度だけですが、カメムシの侵入を許してしまったことがあります。
部屋でくつろいでいたらけたたましい羽音を立ててシーリングライトに突進していた状況に若干パニックになりながら、凍結用スプレーを使って退治しました。
しかし、退治に時間がかかったこともあり、カメムシが止まっていた場所にあったカラーボックスとそこにかけていた布製のカバンが犠牲になりました。
カラーボックス
カラーボックスに対してはまず、食器用中性洗剤を溶かしたお湯で拭き、食器用中性洗剤のぬめりがなくなった後はアルコールを吹きかけました。
一度アルコールを使用した後、乾燥させました。
その後、布製のカバンのニオイを落とす作業をしているうちに、カラーボックスに付いていたニオイも気にならなくなりました。
ただし、アルコールは素材によって変色や劣化を起こす可能性があるため、現在なら目立たない場所で確認してから使用します。
布製のカバン
布製のカバンが一番の被害を受けました。
とりあえず、被害を受けたカバンのみを食器用中性洗剤をつけてお湯ですすいだり、洗濯機で衣類用洗剤を使って洗ったりしましたが、なかなかニオイが落ちませんでした。
当時夜だったこともあり、浴室に洗ったカバンを干して、ニオイのする部分にアルコールをしみこませて乾かしたところニオイがかなり軽減しました。
ただし、アルコールは引火性があるため、アルコールを使用した直後にドライヤー・ヒーターなどの熱源を近づける方法はおすすめしません。
使用する場合は、製品表示を確認し、火気のない換気のよい場所で自然乾燥させるなど、安全性を優先してください。
薬剤師の仮説から試してみた「アルコール」
ここで、薬剤師としての私のちょっとした実験をご紹介します。
カメムシのニオイについて調べていたところ、臭気成分には揮発性の高いアルデヒド類が含まれていることを知りました。
そこで、

アルコールには油性の物質を溶かす性質があるため、カメムシのニオイ成分にも何らかの効果があるのでは?
と考えました。
もちろん、この時点ではあくまで私の仮説です。
実際にカメムシのニオイが付いてしまった布製のカバンにアルコールを使用してみたところ、洗剤で洗っただけでは残っていたニオイが、かなり軽減しました。
私自身はこの結果にかなり驚きました。
「カメムシのニオイはアルコールで落ちる」という方法を最初から知っていたわけではなく、カメムシの臭気成分について調べた結果から、自分なりに「もしかしたら使えるのでは?」と考えて試した方法だったからです。
ただし、今回の経験だけで「アルコールがカメムシのニオイをこのメカニズムで除去する」と断定することはできません。
また、アルコールは素材によって変色・劣化・コーティングへの影響が生じる場合があります。
そのため、試す場合は素材との相性を確認し、目立たない場所で少量から試すようにしてください。
「科学的に証明された万能な消臭方法」というより、
「薬剤師の私が仮説を立てて実際に試したところ、我が家では効果を感じた方法」として参考にしていただければと思います。
カメムシ大量発生の予報があっても、対策をすれば怖くない
2026年は、地域によってカメムシ類の発生に注意が必要な状況です。
農林水産省は2026年6月の「令和8年度病害虫発生予報第3号」で、果樹カメムシ類の発生が全国的に多くなると予想しています。
さらに7月の「令和8年度病害虫発生予報第4号」では、北関東、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州の一部地域で、果樹カメムシ類の発生が多くなると予想されています。
ただし、これは農作物に被害を与える「果樹カメムシ類」の発生予報であり、すべての地域で住宅周辺のカメムシが大量発生することを意味するものではありません。
お住まいの地域の発生状況については、各都道府県の病害虫防除所などが発表する情報も確認するとよいでしょう。
カメムシの発生量には、気温や降水量などの気象条件、餌となる植物の状況など、さまざまな要因が関係しています。
そのため、今後も発生状況については、農林水産省や各地域の病害虫発生予察情報などを確認しておくと安心です。
カメムシはくさいニオイを放つため、家の中に侵入されると厄介な存在です。
しかし、「侵入させない」「屋外で対処する」「侵入された場合は刺激しない」という対策を組み合わせることで、被害を抑えることはできます。
私が約2年間実践しているカメムシ対策は、次の4段階です。
- 侵入される前に、家の周囲で対策する
外壁・網戸・窓など、製品表示で使用可能な場所に適切な殺虫剤を使用します。 - 侵入経路を減らす
網戸やサッシなどの隙間を確認し、必要に応じて隙間テープなどで対策します。 - 侵入されても、刺激してニオイを出さない
ペットボトル捕獲器などを使い、できるだけ潰さずに処理します。 - ニオイが付いてしまったら、素材に合った方法で洗浄する
まずは洗剤による洗浄を基本とし、アルコールなどを使用する場合は素材との相性を確認します。
私自身はこの方法を続けた結果、ここ2年ほどは屋内への侵入をほとんど許していません。
もちろん住宅環境やカメムシの発生状況によって結果は変わりますが、カメムシ大量発生に悩んでいる方の参考になれば幸いです。



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